肝臓や腎臓に関する発がん性について指摘のある「クロロホルム」といった水道水中のトリハロメタンは、世界中で社会問題になるほど問題視されてきました。
現在も解決できているとは言い難い状況です。なぜ水道水に、いまもトリハロメタンが含まれるのでしょうか? 生成原因や除去方法について解説します。
水道水のトリハロメタンとは?
水道水に含まれるトリハロメタンは、塩素消毒をすることで発生する副生成物です。
人体に対する有毒性が指摘されており、その一部の物質については、発がん性や遺伝毒性(遺伝病や染色体異常による疾病を引き起こす可能性)が認められています。*
* 鳥居修一(浜松医科大学医学部歯科口腔外科)トリハロメタン 一毒性と対応策について一岩医大歯誌 7:171-177,1982
各ハロゲン化炭化水素と「総トリハロメタン」は水道水質基準によって規制されている
総トリハロメタンとは、「クロロホルム」「プロモジクロロメタン」「クロロジブロモメタン」「ブロモホルム」という4つのハロゲン化炭化水素の総称です。
水道水質基準においては、上記4つの各項目に加え、総合した「総トリハロメタン」の許容値についても定めがあります。
日本の水道水質基準における総トリハロメタンと各項目の値
水道水における総トリハロメタンおよび各項目の含有量は、以下のとおりに規制されています。
項目 | 基準 |
総トリハロメタン | 0.1mg/L以下 |
クロロホルム | 0.06mg/L以下 |
ブロモジクロロメタン | 0.03mg/L以下 |
ジブロモクロロメタン | 0.1mg/L以下 |
ブロモホルム | 0.09mg/L以下 |
水道水にトリハロメタンが発生する原因
浄水場では滅菌処理のために塩素剤が使用されています。
その塩素剤が、水道原水に常在しているフミン酸(木材や枯れ葉が腐ってできる物質)や臭化物と反応して、トリハロメタンが生成されます。
トリハロメタンの生みの親である残留塩素とは?
日本では、水道水の滅菌処理は「塩素剤に限る」ということが法律によって規定されています。
そのため水道事業者は、衛生上必要な措置として塩素消毒する義務があります。
(参考)残留塩素の規定量
なお、残留塩素の量は、水道法施行規則17条(昭和32年の厚生省令)によって以下のとおり規定されています。
給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、0.4mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、0.2mg/l(結合残留塩素の場合は、1.5mg/l)以上とする。
最低濃度は上記のとおりですが、上限に定めはありません。
浄水場は数回に分けて多量の塩素を投入している
浄水施設では、前塩素処理から後塩素処理まで、数回の工程に分けて水道水に多量の塩素を投入しています。
なお前処理は、汚濁の進んでいる原水を使用している浄水場において行われます。そして最終処理は、給水栓における遊離残留塩素の量を調整するために、法令上の規定数値になるまで追加投入されます。
原水が汚濁している浄水場では当然、塩素要求量が高い値となりますし、また遊離残留塩素についても、規定量を守るために夏場はとくに多量の塩素注入が必要です。
これによってトリハロメタンが発生するのに都合のよい水環境が生じています。
水道水からトリハロメタンを除去する方法
トリハロメタンを除去するには、ご家庭に浄水器を設置することをおすすめします。
世界80か国以上で愛用されているMULTIPURE(マルチピュア)は、最多104種類の有害物質を除去することができる浄水器です。
クロロフォルム、ブロモフォルム、ブロモジウロロメタン、ジブロモクロロメタンといったトリハロメタン類は、すべての機種において99.8%の除去率で取り除くことが可能です。
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