マルチピュアジャパンでは、水道水やボトル水に含まれるマイクロプラスチックについて問題提起しております。
こちらの社員ブログを読んでいただいたお客様より、さらなるご質問をいただきました。魚介類の摂取からも私たちはマイクロプラスチックを体内に取り込んでしまうおそれがあります。暮らしのなかではどのような点に気をつければよいでしょうか?
そこで今回は、海洋汚染および魚類の体内におけるマイクロプラスチックの実情について最新の研究論文より情報をまとめました。ぜひ日常生活でご活用いただけましたら幸いです。
Q. 魚にとってもマイクロプラスチックは悪影響でしょうか?

A.「生殖能力の低下」や「成長阻害」といった影響が確認されています。
水生生物を対象としたマイクロプラスチックの悪影響については、いくつか調査研究があります。
たとえば「ワムシの生殖能力の低下」*1や、「ヨーロピアンパーチの稚魚の成長阻害」*2などの試験結果を参照すると、マイクロプラスチックによる海洋汚染の悪影響の度合いを確認することができます。
*1 Jeong, C.B., Won, E.J., Kang, H.M., Lee, M.C., Hwang, D.S., Hwang, U.K., Bingshengm, Z., Souissi, S., Lee, S.J., Lee, J.S., 2016. Microplastic size-dependent toxicity, oxidative stress induction, and p-JNK and p-P38 activation in the monogonont rotifer (Brachionus koreanus). Environmental Science & Technology 50(16), 8849-8857.
*2 JLönnstedt, O.M., Eklöv, P., 2016. Environmentally relevant concentrations of microplastic particles influence larval fish ecology. Science 352(6290), 1213-1216.
Q. 日本の魚もマイクロプラスチックを食べていますか?

A. 東京湾で漁獲されたカタクチイワシの約80%からマイクロプラスチックが検出されました。
世界中のあらゆる水環境においてマイクロプラスチックの存在は確認されており、当然、日本近海でも存在の報告事例があります。*3
2016年には、東京湾のカタクチイワシからマイクロプラスチックが検出されました。採取された64匹中、49匹(77%)の体内から検出され、1匹あたり平均2.3個、最大15個のマイクロプラスチックが確認されました。*4
カタクチイワシに限らず、その他の海洋生物についてもマイクロプラスチックに容易に汚染されている可能性が高いことが示唆されています。
*3 Isobe, A., Uchida, K., Tokai, T., Iwasaki, S., 2015. East Asian seas: a hot spot of pelagic microplastics. Marine Pollution Bulletin 101(2), 618-623.
*4 Tanaka, K., Takada, H., 2016. Microplastic fragments and microbeads in digestive tracts of planktivorous fish from urban coastal waters. Scientific Reports 6, 34351.
(参考)農林水産省もリスクを認識しています。
東京湾のカタクチイワシの研究調査については農林水産省も「リスクの認識」として取り上げています。興味のある方は農林水産省が公開しているページ(PDFが開きます)もあわせてご閲覧ください。
Q. 日本のどの場所で獲れる魚がとくに危険ですか?

A. 日本のあらゆる地点でマイクロプラスチックを含んだ魚が漁獲されています。
5ヶ所の日本内湾および琵琶湖において、7種類の魚を対象とし、その消化管のなかに存在している粒径100µm以上のマイクロプラスチックの実態把握を目的とした調査があります。
調査結果によると、197匹の魚のうち74匹から、140個のマイクロプラスチックが検出されました。なお、5ヶ所の日本内湾および琵琶湖のすべての地点においてもれなく検出されています。*5
*5 牛島大志, 田中周平, 鈴木裕識, 雪岡聖, 王夢澤, 鍋谷佳希, … & 高田秀重. (2018). 日本内湾および琵琶湖における摂食方法別にみた魚類消化管中のマイクロプラスチックの存在実態. 水環境学会誌, 41(4), 107-113.
Q. 魚の体内に含まれているマイクロプラスチックの量を教えてください。

A. 魚一匹あたりのマイクロプラスチックの数量は平均1.89個でした。
同上の調査において、魚一匹あたりから検出された粒径100µm以上のマイクロプラスチックは、平均1.89個、平均粒径の中央値は543µmでした。
その大半がポリプロピレン(40.7%)とポリエチレン(35.0%)という結果です。
Q. マイクロプラスチックを食べると魚は死にますか?

A. 明白な因果関係を調査した研究結果は見つかりませんでした。
現在のところ、マイクロプラスチックの誤飲を直接的な原因とする魚類の死亡報告を確認することはできませんでした。
なお、細かく破断される前の海洋プラスチックごみについては、魚類や鳥類が誤って飲みこんでしまう事例が数多くあり、誤飲を原因とする死亡報告も少なくありません。
マイクロプラスチックはとてもサイズが小さいため、それを食べたことを原因のひとつに認めることは非常に困難であるという事情が推察されます。
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