沖縄の水道水が有害って本当？ PFAS・PFOS・PFOAとは

2022.09.30

お水のこと

1960年代のかつての米国では、農薬の乱用などによる水汚染公害が拡大し、市民は不安を抱えたまま水道水を利用していました。

現在、沖縄に駐屯している米軍は、福地ダムの近くに広大な訓練場を構えています。また、米軍基地内で用いられる泡消火剤が一因となり、人体への有害性が明らかな「PFOS」という有機フッ素化合物が、県内の水道水中に検出されることがあります。

沖縄県の水道の安全性に疑問を持つ方、「安全な水」を求めている方々は、ぜひ最後まで読んでみてください。

「発がん性」や「発達障害」が注目されるPFASとは？

PFAS（ピーファス）とは、炭素-フッ素結合を持つ有機化合物の総称です。妊婦と子どもに対する研究では、「発がん性」や「発達障害」に影響を及ぼす毒性が報告されています。

なかでも炭素数が8であるPFOS（ピーフォス）とPFOA（ピーフォア）は、難分解性が特徴のひとつで、大変危険です。水中などで分解されにくいフォーエバー・ケミカルですから、生物が摂取するとその体内に残留する性質を持ちます。

【ワンポイント知識】PFOS・PFOAとは？

PFOS（ペルフルオロオクタンスルホン酸）とは、1950年代半ばにアメリカで開発された界面活性剤です。半導体の製造時に使用される薬剤や、火災時の泡消火剤などに用いられてきました。

鍋底が焦げつきにくいテフロン加工の調理器具や、撥水（はっすい）加工の食品包装紙といった日常の身近なところで使用されているPFOA（ペルフルオロオクタン酸）とともに、発がん性や免疫力の低下など、人体に対する悪影響が確認されています。

「飲料水からわずかでも検出されるべきではない」

EPA（アメリカ合衆国環境保護庁）は2022年6月、有機フッ素化合物（PFOS／PFOA）に関するガイドラインを更新し、「これまで考えられていたよりも少ない量で健康被害をもたらす可能性があり、飲料水からわずかでも検出されるべきではない」として規制を大幅に強化しました。

とくに毒性が強いとされるPFOSおよびPFOAは、水道水1リットルあたりの合算でこれまで70ナノグラム以下の含有量とされてきたのが、PFOSは0.02ナノグラム、PFOAは0.004ナノグラムまで、安全性の基準が厳格化されています。

気になる沖縄県の現状は？

沖縄県企業局の公式HPを確認すると、有機フッ素化合物について「企業局では、県民に安心・安全な水を供給するため、北谷浄水場でのPFOS等目標値を70ng/L（PFOSとPFOAの合計値）以下とし、水質管理及び浄水処理を行っています。北谷浄水場浄水のPFOS及びPFOA合計値は平均30ng/L 程度であり、水道水の安全性は担保されているものと考えております。」という記載があります（※参考）。

【EPAによる安全性の基準】（国際的なガイドライン）
PFOSは「0.02ナノグラム」、PFOAは「0.004ナノグラム」以下
【沖縄県の安全性の基準】
PFOSとPFOAの合計値で「70ナノグラム〜30ナノグラム程度」

国際的に規制強化が主流の現在、米国や欧州と比べ、沖縄県を含む日本の水道水の安全基準はずいぶん危険な状態にあることがわかります。